OFF SIDE バックナンバー         2005 6月分



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宿命の対決  6.27

30日未明、コンフェデの決勝だ。ブラジル対アルゼンチン!
“宿命”という言葉がこんな似合う試合もない。

現在、最高の使い手たちの真剣勝負だ。
目覚まし2,3個セットする価値がある。

まさにワールドカップの前哨戦、プレワールドカップのプレファイナル?

ちなみに、プレはプレゼントのプレなんですね。
「前の、以前」という意味です。

先日、ある人に手作りのモノを贈ったとき、その人がエラく感激して言ってました。
コレを作っている時に、あなたは私のことを考えていてくれた。それが嬉しい・・・と。

プレゼントがうれしいのは、渡されるその時ではなく“プレ”が嬉しいのだと。

いいこと言うなあ、オレの友達は。・・・もちろんオトコですけど(笑)



サンバと読書  6.23

日本2−2ブラジル

彼我との差はまだデカいが、絶望するほどではない。
以前は絶望もなにも、絶望することさえおこがましかった。
ちゅーか、対戦さえしてもらえなかったもの(笑)

ブラジルは引き分けでOK、あるいは1点差でOKの試合をしていた。
そういう意味では、ギリシャ戦のフィニッシュのヘタさが悔やまれる。
が、やはり基本的なスキルの差はまだまだデカい。

セレソンはサブも含めて、日本代表の誰よりも巧い。唯一の例外が俊輔だろう。
有名な話で、“ブラジルでは生まれてきた赤ん坊は、立ち上がるとまずボールを蹴る。
歩くのはその後だ”というのがある。そーゆー国だもの、相手は。

ただ、後ろ姿はしっかりと視線の先に捕らえた。まだとても小さいけど。

あと問題は、ブラジル代表の信じられない明るさだ。
ワールドカップの時の移動の際も、常にサンバが鳴り、監督のフェリペも踊っていた。
今回も移動の車中で、大サンバ大会が開催されていた。

一方、日本は・・・
車中ではヘッドフォンして読書する人が有名だ。別に悪口じゃないが。
セレソンのあの明るさも、立派な実力のうち、って気がする。

さて、頬のげっそりコケたツネ様はじめ、代表のみなさん、お疲れ様でした。
いいもの見せてもらいました。



賢兄賢弟?  6.20 

愚兄愚弟じゃなかったのか? ・・・んなこと言ったっけ。おぼえてねーぞ。
昨日の夕飯も覚えてないっちゅーの。

兄の方(代表)は、素晴らしいゲームをした。
ショートパスが面白いようにつながり、パススピードも珍しく速かった。
中田や俊輔からタテにパスが出た時に、柳沢と玉田が連動して裏をとりに行く動きには、めざましいものがあったし、柳沢はターゲットマンとしても安定していて、的確にボールをさばいていた。

加地も最終予選とは別のスパイクを履いたようだ。
代表は通常、左サイドが攻撃の起点になるが、コンフェデに入ってからは、右からの方が気が利いている。センタリングとシュートの精度が“いま3”なのは変わってないけど。

ブラジル戦に関しては、松木安太郎大先生のお言葉をどうぞ・・・
「ここはひとつ、ズィーコにブラジルの選手に圧力をかけてもらいましょう。『次期ブラジル監督はオレだぞ。わかってるだろうな』って。ここまできたら何でもアリですから」

“なんでもあり”といいつつ、ジーコをズィーコと発音することにこだわる松木でした。

賢兄に比べユースの方は・・・退屈〜〜〜。
ひとつでも多く試合することが貴重な経験になる、というが、こんな試合をつづけることが果たしていい経験になるのかどうか、怪しいところだ。

水野と前田が出てきた後半だけ、ちょっと希望が持てたけど。
ロビーニョを見ていても思うけど、やっぱりボールコントロールです。
日本の生きる道は。

さて、ブラジルとはガチンコになった。
“サッカーは何が起こるかわからない”というが、残念ながら現状ではよくわかる。
でも、“そんなのコンプレックスにすぎないよ”という戦いを期待するオレもいる。
 



愚兄愚弟  6.17

若貴? あそこはこれに愚母も加わるからなぁ、グハハハハ。

ドイツとオランダにいる我が代表兄弟のこと。“愚”ってほどじゃないけど。
でも見事にシンクロしているぞ。♪シンクロ、シンクロ
ま、代表の方はコンディションもモチベーションも、一度全開にしたばっかりだから、
無理もないっちゃーないが。

シンクロするのは、決定的な場面を決め切れない・・・これだ。

久保竜のような特異な才能がいない場合や、アドリアーノのような反則シュートなど誰も打てないチームは、確実な場面をいかに確実にモノにするかにかかっている。

しかし、カレン・ロバートも森本も平山も、柳沢も玉田も“ここ”という時を逃がす。
SOME DAY NEVER COMES “いつか”なんてやってこないのに。

まだ、両チームとも可能性は十分あるから、眠い目をこすって応援するしかない。
では、最後にひとこと
「カジーっ!パントキッカーか?おまえは」 



甲府の宝  6.13

甲府の宝といっても、宝1丁目のことじゃないヨ。(実際、甲府にあるんです)

藤田の健ちゃんです。
土曜日の湘南戦の藤田ときたら・・・いやー、凄かった。
マンUの頃のベッカムくらい動いたんじゃないか。ハンパなしの運動量。
2人いるかと思ったほど。

健ちゃんの献身につられるように、ヴァンフォーレも見事な戦いっぷりを見せてくれた。
今季最高というより、後半に限れば、オレが見た中のベストでした。

自分をさらけ出すのがヘタくそな山梨県人が、後半は総立ち状態で、あちこちで踊ってましたから。 すぐ隣りにいた御夫人方6人組、早い話、おばさん連中も、当初は手作りのお弁当をひろげ、ピクニック気分を満喫していたのですが、後半は完全に舞い上がり、ディスコでフィーバー、おもっきり青春してました。

オレも、“シュートが外れて頭を抱えるポーズ”を何回したことか!
ここにきて、確実にいいゲームが増えている。
・・・ホント、幸福な夜だった。


最高の夜



祝祭の時   6.09

いやー、よかったよかった。しあーせ!
ひょっとしてW杯常連か?もう(笑)。常任理事国になるよりずっとス・テ・キ。

■マコちゃん、危機一髪
最後のあれ、レフェリーは田中にレッドを出そうとしてたよね、報復行為で。
それを、キム・ヨンスがさらに上をいく報復の報復をしたものだから、レフェリー、田中をスルーしちゃいました。踏んづけちゃダメさ。ラックじゃないんだから。

■ナカータ、オメーはやっぱりカーリモン
祝福の輪にはなかなか加わらないし、勝利Tシャツも着ない。石田純一のセーターじゃないんだから。あんなもん肩にひっかけてどーすんだ。帰ってきての記者会見もひとりノーネクタイでした。よっぽどファッションにはうるせーんだな。ってアイツのファッション、感心したことないんですけど(笑)ほっとけ

■リスク管理?
誰かが言ってました。「代表のチャーター機を2便に分けろ」と。
アメリカは大統領と副大統領は必ず別の機に乗るんだと。大統領機が落ちてもいいように
・・・落ちてもいいとは言わんか(笑)
2便てことは、レギュラー組とサブ? それともシャッフルする?コラコラ。

勝ったから言えるアホ話でした。
エニウェー、ベッケンバウワーをはじめ、ドイツ人からの祝福と歓迎のコメントなんかみると、またうれしさが込み上げてきますね。



常套手段  6.05

スポニチのコラムで、バーレーン戦の感想を金子達仁が書いている。
「腰の引けたボクサー同士の打ち合い」と・・・。
毎度お馴染み、“人と反対のことを言う”方式ね、その方が目立つから。
いい試合にダメ出しし、トロい試合をホメるわけです。

とにかく、彼の論旨はこうだ・・・
勝つしかない状況なのに、バーレーンは日本を尊敬しすぎていた。だから攻めなかった。
それに対して日本も、キリンカップで自身を喪失し、バーレーンのカウンターを過剰なぐらい恐れていた。だから「腰の引けた〜」となるのは当然である。

そして、えーい、まるまる引用しちゃえ・・・
「重圧のかかる状況で、リスクを背負いたくないという気持ちは分かる。しかし、この程度の相手、この程度の状況でリスクを冒せない者たちが、どうして世界中から注目を集めるW杯で、今よりも強い相手にリスクを冒せるだろう」

なるほど、もっともらしいな・・・
でも、バーレーンは早い話、自滅したのだ。
最初から倒れるヤツ、痛がるヤツが続出していた。ハナから“言い訳”ばかり考えているようなチームが勝てるはずがない。

聞くところによると、バーレーンには命の綱である石油が、もうあまりないらしい。
国の存亡にかかわる事態だ。で、バーレーンとしては石油だけでなく、自国を世界にアピールしなければならなかった。そのためにはW杯出場は願ってもないチャンスだ。

そう、まさしく彼らは、“国”を背負っていたのだ。
そりゃ、動かんて。おそらく初めて経験するプレッシャーだったはずだ。
少なくとも、日本を警戒しすぎて、腰が引けてた訳ではないと思うよ。
プレーオフもあるしね。

さて、リスクを冒すことについては・・・
逆に“この程度の相手”に、リスクを冒す必要があるのか?ってことだ。アウェーだし。
むしろ、いかにリスクを少なくするか、を第一に考えるべきだと思う。

事実、速攻の出どころは押さえたし、ボールから遠い場所のケアもよく出来ていた。
ロングボールからの危ない場面は、ほとんど記憶にない。
ちゃんとリスク管理が出来ていた、ということだ。

「憤まんやる方ない気持ちでホイッスルを聞いたわたしは・・・」と、金子は言う。
ま、確かに試合中はオレも、聞くに耐えないような言葉を連発してたけど、ホイッスルが鳴った時は、心底ホッとしたぜ。
憤まんやる方ないって・・・言うか?エラソーに。アホだろ。薄々気づいていたけど。

 ※ じゃあ金子達仁、嫌い?かというと、そーでもない。
   けっこう愛読者でもある・・・最近のは読んでないけど。
   ・・・フォローになってねーぞ。する気もないヨ。



「ダメだよ、手ぇ使っちゃ」  6.04

バーレーン戦を観つつ、天才カトリの一言。
テレ朝認定の代表応援団長こと香取慎吾くん。なんかサマになってきたぞ。
さすが、ベッキャム。本家がサインをねだったオトコ。オレも認定するぞ(笑)

勝ったから、笑って話せるけどね・・・よかったよかった。
にしても、あらためて思う、ジーコの背骨は太いすわ。
オレだったら、絶対小笠原使わないもん。(誰でも、代表監督になるのは自由ですから)

小野の骨折があったにしろ、そこは遠藤か稲本を起用して、と考えるぞ。
UAE戦での小笠原のパフォーマンスを見て、それでも信頼が微動だにしないところが、ジーコの凄いところだ。やっぱ、ちょっと違うね、精神構造が。

それでも不満はある。(誰でも、不満を持つのは自由ですから)

■見劣りするサイド
■速攻がヘタすぎ
■松田がいない
・・・この3点に尽きる。

加地はハナから前に突破する気がない。気がない、じゃなくて技術がないわけだけど。
前半1回だけでしょ。ゴールラインえぐったの。

アレックスは全部、読まれている。ボールを相手の左に出して、自分は右を抜けていこうとするヤツも、すでに情報が行き渡っているから、二人目に簡単に詰められてしまう。
「ひとりは抜かれてもいいよ」って感じだ。

ふたりとも運動量や守備への献身は、ゆーことなし!なんだけど。
とにかく、前へ突破しようとしないサイドは少しも怖くない。

速攻がヘタなのは知ってました(笑)日本民族の特性みたいなもんです。
DNAに“速攻”が組み込まれているイタリアなら、最低でも、後半の柳沢と稲本のヤツで2点は取っているはず。なんだ、3−0で楽勝だったのね、実は。

松田は・・・ドイツまで我慢する。



名波と山口  6.01

“今日のそんなぁ”にも書いたけど、雑誌スポルティーバで「ジョホールバル組」のふたりが最終予選について語っている。

これまで、当時のことをあまり話していなかったふたりが、ここではかなり突っこんで回想している。ふたりにとっても、今は気が気じゃないんだろう様子が伝わってきて、キーキーと面白く、ちょっとゾクゾクするほどだ。ぜひ一読をおすすめする。

冒頭の山口
「最終予選が始まる前から、このくらい苦しむのは予想していた。“予選”ってそういうものだから」

名波セッド
「残り3試合になったけど、すべての試合で苦しむ。それが“予選”というもの」

野人・岡野のゴールが決まる瞬間まで、ふたりをはじめ、日本中が“フジヤマ”にでも乗ったかのように、上にいったり下にいったりの2ヵ月半だった。野次も卵も飛んだし、
そう、加茂さんのクビもとんだな。 ちなみに私“フジヤマ”に乗ったら即死です。

加茂更迭!その次の日の朝、山口がエレベーターで加茂さんとバッタリ乗り合わせた話。名波と母親との、ちょっと笑えて泣けるエピソード。ふたりのヒデへの優しいまなざし、などなど、キーキーと・・・クイクイと読ませる話が満載だ。

最高のリスペクトに値する、ふたりの締めのお言葉をどうぞ・・・

山口セッド
「ポイントはバーレーン戦。シビれるような試合になるよ。でも大丈夫だから。
ワールドカップには行ける。苦労はするだろうけど、問題ない」


名波セッド
「まだまだ苦しむよ。間違いない。でも、苦しむけど行けるよ。まあ、苦しんで突破したほうがいいよ。どんなプレッシャーを受けても、どんなに苦労しても、ワールドカップに出れば、いい思い出に変わるから、すべてが」


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